存在の場所
福祉施設の立地
相模原市の障がい者施設で、あってはならない事件が起こりました。
殺人を犯すことに怒りを覚えます。いかなる理由であれ、人が人の生きる権利を奪うことは間違っています。
そして障がい者を標的にし、障がい者を社会から排斥するような考え方に、多くの人々が懸念を示しまた。当然であると思います。
そうは言うものの私自身を含め、多くの人たちは心から本当にそう思っているのでしょうか。
私の住む東京の西のはずれは、山ばかりです。
近所の山あいの街道には、違う法人の特養の大きな建物が3件並んで建っています。さらに奥には、障がい者施設があります。その先は火葬場とごみ処理場です。
フィンランドの高齢者施設を訪ねた時のことです。日本でいうディサービスのような所です。
美しい湖に臨む、住宅街の中心にその施設はありました。
3階以上は集合住宅です。その1階に主な設備があります。玄関を入ってクロークにコートを預けます。カラオケに興じたり、陶芸や手工芸を楽しんだり、ビリヤード場では賭け事もしています。
お腹がすけば、併設のレストランで食事をとります。安くておいしいので、近所の人たちも食べに来ています。
午後からは、歌謡ショーが始まりました。高齢者の皆さんと一緒に、大勢の知的障がい者の皆さんも、ショーに参加しています。とんだりはねたり、大声をあげたりとても楽しそうです。
高齢者の男性、白髪のおじいさんが言いました。
「あいつらは、私たちと極めて似ているんだ。言ったことも、やったこともすぐに忘れちまう。だから気が合うんだよ。がははは」と。
大笑いした後、「一緒に居る方がいいんだ」とやさしく言いなおしました。
バックナンバー

2017/09/08up

2016/09/11up

2016/06/01up

2016/03/03up